ネットショップを開設すると、低コストで集客を行いながらコロナ禍といった影響に左右されずに売上を確保できます。ただしネットショップに関する知識やスキルがない場合は、事前に開設の基本的なポイントを押さえた上でスムーズな開店へつなげられるようにしておいてください。今回はネットショップ初心者向けにショップ開設の方法や販売時の注意点、またショップを成長させるポイントなどを解説していきます。
目次
事前の計画策定が重要!ネットショップを開設する方法をステップごとに解説
ネットショップを開設するときは、次の手順に沿って準備を行います。
事業計画を策定する
まずは事業計画の策定を行います。
- ターゲットユーザーは誰になるのか
- カジュアルや高級など、どういったジャンルで販売するか
- どういった商品を取りそろえるのか
- 初期コストやランニングコストの予算をどれくらい確保するか
といった点で多角的に出店するための計画を立てていきます。
ターゲットユーザー設定については、
- 年齢
- 性別
- 趣味
- 仕事
といった属性を紐づけて仮想のユーザーを作る「ペルソナ設計」の考えをもとに作成できると安心です。
販売ジャンルには
- 総合型
- アパレル
- 飲食グルメ系
など、さまざまな種類があります。
ジャンルが決まったら取りそろえるべき商品を決めて次の仕入れ・開発で実際に用意していきます。ネットショップ経営なので、予算をなるべく抑えたい方もいらっしゃるでしょう。しかし実際には、店舗の規模や見込み集客数などで適切な予算設定を行っていく必要があります。
商品の仕入れ・あるいは開発を行う
次に実際に販売する商品を仕入れる・あるいは開発していきます。
仕入れ方法には、
- 直接製造先と関係を作って仕入れる
- 他ECサイトで仕入れる
といった方法があります。予算とも相談しながら商品在庫を確保していきましょう。
また開発に関しては、
- 1から素材を仕入れてオリジナルで製造する
- 既存製品にデザイン等を加えて用意する
といった方法があります。
商品を用意する際は、届け出が必要かも確認しておきましょう。たとえば酒類を販売する際は「通信販売酒類小売業免許」といった資格が必要です。
参考:国税庁ホームページ
出店の方法を決めてネットショップサイトを作成する
ネットショップサイトにおいて困るのは、出店方法です。ネットショップサイトを用意する際はまず、サイト制作にいくつか種類があることを抑えておく必要があります。
- Amazonや楽天市場といった総合型モールへ出店する
- ASPと呼ばれる制作サービスでオリジナルのものを作る
- フルスクラッチで1からデザイン・機能を製作する
総合型モールへ出店すると、各モールのブランドを借りてECが可能です。ただし出店手数料や販売手数料などが発生するので、予算と相談して出店で利益が確保できるか考える必要があります。
またASPには「BASE」といったサービスがあり、ドラッグ&ドロップや画像アップロードといった簡単な作業でオリジナルのネットショップを用意可能です。販売手数料が発生するケースもありますが低額であり、利幅を確保しやすいといった点が魅力になっています。ただしデザインや機能の自由度はサービスごとに制限されてしまいます。
フルスクラッチでコードを1から書いて、ネットショップを作ることも可能です。この方法だと自由度の高いデザイン・機能設計が可能でオリジナリティがネットショップで特に重要な場合はメリットが大きくなります。ただし制作費用が膨大になるリスクがあるので、初心者がフルスクラッチへ取り組むのは難しいでしょう。
決済システムや配送業者などを用意する
ネットショップサイトのページを用意しただけでは、作業は終わりません。
- 決済方法を選んで実装する
- 配送業者と契約して流通を整える
といった作業が必要です。
決済方法については、
- 銀行口座引き落とし
- クレジットカード
- QRコード決済
といった種類があるので、ターゲットユーザーがどの方法で決済したいのかを考えた上で最適なサービスを導入する必要があります。仲介業者と契約すれば、一気に複数の決済方法を導入することができます。
また配送業者には、
- ヤマト運輸
- 佐川急便
- 西濃運輸
といった種類がありますし、地元の配送業者とも契約できるかもしれません。ターゲットユーザーの居住地域まで含めてどの配送業者が必要か考え、料金設定などを相見積もりして一番条件がよい業者と契約してみましょう。
開業届を提出して販売を許可してもらう
もしまだ開業の許可を取っていない場合は、役所へ「開業届」を提出して販売許可を取る必要があります。事業開始から1か月以内には提出しないといけないので、ネットショップ販売を決めたらすぐ開業届記載の準備を行っておきましょう。
なるべく税控除面でメリットを得たい方は、簿記が面倒ですが「青色申告」の届け出も行ってみてください。特別控除額が上がったり、赤字を繰り越して計上できるといったメリットが得られます。
予算を上手に調節するのもポイント!ネットショップ開設時の注意点とは
ネットショップを開設する際は、次の点に注意してみてください。
価格設定は高過ぎず、安過ぎないように
価格設定をする際は、
- 競合と比較して高過ぎないように
- 安過ぎて元が取れなくならないように
といった点を注意しておく必要があります。
値段設定を間違えると、ブランドにもかかわってくるので影響力は大きいです。価格設定を行うときはツールを使って自動で価格比較を行ったり、または代行業者へ依頼して調査を依頼、価格へ反映するといった方法が取れます。適した方法で価格設定で失敗しないような準備を行いましょう。
漫然とした理由でネットショップ開設を行わない
事前の計画策定があいまいだと、後の方針までぶれてスムーズな経営ができません。特になぜネットショップを開設するのか、目的を明確にしておくことは重要です。
- コロナ禍で実店舗以外のチャネルが欲しい
- 実店舗のカバー地域以外でも販売してほしい声があったからニーズに沿いたい
- 将来的にネットショップ運営が当たり前になるのを見越してノウハウを蓄積したい
といったさまざまな理由があると思いますが、目的は計画の軸になるのでしっかり記載して細かい内容を詰めてみてください。
必要な予算を最低限確保しておく
予算が足りないと満足いく経営ができません。
- 広告やSEOを介したプロモーション
- 制作や保守・運営の代行
- 商品の仕入れ・開発
といった工程では必ず費用が発生します。
もし計画内で策定した予算を上回ってしまう場合は、予算の増額や費用の調整などを行って上手くコストコントロールを行っていく必要があります。販売拡大のチャンスがあれば、費用を抑え過ぎることなく投資を行っていきましょう。
プロモーション方法も吟味しよう!ネットショップでの販売を成功させるコツ
ネットショップで販売を成功させるには、次の点を踏まえてみましょう。
価格以上の付加価値を付けられるようにマーケティングを行う
商品が「コモディティ化」している今、販売価格だけで他社と差別化を行うのは危険です。値下げ競争に引っ張られると利益が少なくなって運営がうまくいかなくなるかもしれません。
ですから、
- 商品販売からアフターフォローまでをスムーズにしっかり行う
- 仕入れや開発の背景をネットショップで説明してみる
- メールで商品の活用方法やクーポンなどを提供する
といった「コト消費」を意識した購買体験を提供する必要があります。
SEO・広告といったプロモーション方法を上手に使う
プロモーションには、
- ネットショップにSEO対策を行い、上位掲載を狙う
- 有料広告を掲載、コンバージョンへつなげる
- SNSでファンを増やして継続的な購買へつなげる
といった方法があります。
SEO対策は軌道に乗ればコストを抑えた継続的な集客が可能です。ただし施策を行ってから効果が出るのに時間が掛かる点がネックになっています。また有料広告は手早く購買が発生するチャネルとして優秀ですが、予算がかさむと利益が出なくなるリスクも抱えています。
SNSでのファン構築は継続的な購買者(リピーター)醸成に効果的ですが、販促プッシュがしにくい、こまめに投稿する必要があるといった注意点があるので覚えておきましょう。それぞれのプロモーションを上手く行いながら、予算を調整して利益を成長させられると安心です。
サポートや問い合わせ対応をしっかり行う
ただものを販売するだけでなく、サポートや問い合わせまでしっかりできてこそ本当のネットショップ経営だと言えます。
- 使いやすいネットショップ画面(UI)を常に心がける
- 問い合わせ対応については相手を安心させられる謝罪や対応内容を考える
- 問い合わせ内容について参考になる情報は次の施策の参考にする
といった工夫で、競合に差をつけられる可能性が上がります。
ネットショップの運営は、ユーザーの声を受けてアップデートが可能です。途中でアップデートが終わらないようにPDCAを回して、施策をよりよいものへ変えていってみてください。
まとめ
今回はネットショップ初心者向けにショップ開設の方法や販売時の注意点、またショップを成長させるポイントなどを解説してきました。ネットショップを開設する際は、事前計画の策定やネットショップ開設へ使うサービスの選定などをスムーズに行っていきましょう。また価格設定や予算確保などについても注意しておくと安心です。
マーケティングといった面でも施策を考えて改善へつなげることで、時代に沿った適切なネットショップのアップデートが可能になるでしょう。
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