Shopify(ショッピファイ)はECサイトを簡単に設立できることで人気となっていますが、カナダ発祥のプラットフォームであるため、海外ではマイナーな代引き決済の設定がやや面倒です。ここでは、効率良く代引き決済の設定ができる方法を解説するとともに、おすすめのアプリを紹介します。
目次
Shopifyで代引きを導入するメリット
日本でネットショップを設立する場合、たとえ海外向けに積極的に販売するつもりであっても、国内マーケットを軽視することは得策ではありません。そこで問題になってくるのが決済方法で、日本では長らくネットショッピングの決済方法として代引きが主流になっていました。
ところが海外ではクレジットカード決済が主流で、代引き決済はあまり行われていないため、Shopifyのデフォルトでは代引きの扱いが重視されていません。国内のネットショッピングでも、以前よりはクレジットカード決済する顧客が増えたとはいえ、代引きで購入する顧客もまだまだ多いのです。
このような国民性の違いから、ネットショップの決済方法として代引きを用意しておくことは、決して少なくはない客層を取り込めるメリットがあります。顧客にとっても代引きで購入するメリットがあり、それは商品が確実に手元に届いてから支払いを行えることです。
めったに起こることではありませんが、他の決済方法では支払いを行ったのに商品が届かないということもあり、代引き決済ならばそのようなトラブルを回避できます。また、カードの盗難や個人情報流出のリスクを危惧して、決済にクレジットカードを使用したくない顧客も一定数存在しています。
以上のことから、代引きで商品を購入したい顧客を想定してネットショップを構築することは、国内マーケットで安定した利益を出すために不可欠なのです。
Shopifyで代引きを導入する方法
Shopifyでは、管理画面から代引き決済の設定を行うことができます。まず、管理画面の左下にある「設定」をクリックし、「決済設定」へと進みます。表示されたページを下部にスクロールして、「手動の決済方法」をクリックし、「その他の決済方法を有効にする」から「Cash on Delivery(COD)」を選択します。
その下に表示されている「さらなる詳細」と「支払いの手順」では、顧客が代引き決済を選択したときに取引画面に表示される文言を編集できます。「さらなる詳細」では、商品の代金に代引き手数料が加算されることや、国内発送のみ代引き決済に対応していることなどを明記しましょう。
「支払いの手順」では、商品の代金に代引き手数料を加算した金額を配送員に支払うことを明記してください。最後に、画面右下の「再起動」をクリックして完了となります。
Shopifyで代引きを導入するときの注意点
代引き決済を導入することによって、クレジットカード決済を嫌う顧客を取り込むことが期待できますが、導入の際には以下の点に注意しましょう。
代引き手数料が加算される
当然のことながら、代引き決済には代引き手数料がかかります。ところが、少しでも安く購入したい顧客にとっては、代引き手数料を支払うことを快く思わないこともあり、代引き手数料がかかるゆえに購入を敬遠してしまうこともあります。
顧客が深く考えずに商品を注文し、結果的に想定していた金額より高額な請求を受けることになると、場合によっては商品の受け取りを拒否されてしまうこともあります。そのようなトラブルを防ぐためには、あらかじめクレジットカード決済などの他の決済方法を用意しておき、顧客が選択できるようにしておくと良いでしょう。
表示される代金には代引き手数料が含まれない
Shopifyでは代引き決済の設定を行うことができますが、取引時に顧客に表示される画面には、商品価格に配送料と税金のみ加算された金額が表示されます。つまり、代引き手数料が表示されないため、ショップの管理者が手動で代引き手数料に関する詳細を記載しなければなりません。
また、現状のShopifyでは代引き手数料に関する詳細文をHTML・CSSで編集することができないため、文の一部を強調して顧客に警告することもできません。そのため、代引き手数料がかかることを見逃されてしまうリスクがあります。
取引画面で代引き手数料がかかることを告知するだけではなく、商品紹介ページや購入完了ページでも重ねて代引き手数料について記述しておくなどの対策が必要でしょう。また、後述するアプリ「MR.DAIBIKI」を利用すれば、代引き手数料を含めた金額を自動で計算し、顧客に提示できるので便利です。
現状では国内発送しか対応していない
現在、Shopifyでの代引き決済は、日本国内での発送にしか対応していません。国内間の発送のみ対応しているので、海外から日本へ発送するときも代引き決済を利用することはできないことに注意が必要です。
Shopifyで代引きを導入する場合におすすめのアプリ
Shopifyで代引きを導入したい場合は、アプリを利用する方法もあります。代引き決済の導入に利用できるアプリはまだ少ないですが、代引きを好む日本人の顧客に向けた便利なアプリが開発されており、それぞれを順に解説します。
Ship&CO ‑ 1、2、発行完了!
Ship&CO ‑ 1、2、発行完了!は、Shopify公式で推奨されているアプリで、日本人が利用しやすいように開発されていることが特徴です。商品が代引き決済で購入されたときの送り状や納品書を簡単に作成できるなど、発送作業の効率化が実現できる便利な機能を備えています。無料でインストールできますが、機能を利用するには課金が必要で、料金は以下のようになっています。
プラン | 従量課金制 | 月額料金制 |
料金 | 30円/件 | 1,000円/月 |
Ship&CO ‑ 1、2、発行完了!は、Shopify app storeから追加できます。
MR.DAIBIKI
MR.DAIBIKIは、2021年9月にリリースされたばかりの新しいアプリで、これまでShopifyの欠点の1つであった代引き決済の設定がはるかに便利になる画期的なアプリです。前述のように、Shopifyで代引き決済を利用するときは、管理者が代引き手数料を計算・入力する必要があり、決済時の表示金額に加算することもできませんでした。MR.DAIBIKIを利用すると、代引き決済時に手数料を自動で計算し、顧客が通常支払う金額に代引き手数料を含めた合計金額をメールで自動通知してくれます。
MR.DAIBIKIには4種類のプランが用意されており、無料プランは10日間利用できるので、実際に利用してみてから購入するかどうか検討することができます。3種類の有料プランは、それぞれの月額料金に応じて月間の注文件数の上限が設定されており、最大で2500件までの受注が可能です。また、無料プランを含めた全てのプランで4種類の代引き手数料を設定することができます。
MR.DAIBIKIに用意されている4種類の料金プランは以下の通りです。
プラン | FREE | BASIC | STANDARD | PREMIUM |
注文可能件数 | 500件 | 500件 | 1000件 | 2500件 |
料金 | 10日間無料 | $7/月 (約804円) |
$14/月 (約1,609円) |
$30/月 (約3,448円) |
MR.DAIBIKIも、Shopify app storeから追加できます。
まとめ
Shopifyで代引き決済を導入する場合は、Shopifyの管理画面で代引き決済を設定する方法と、アプリを利用する方法があります。アプリを利用するにはコストがかかりますが、利便性が向上するだけではなく、代引き決済におけるトラブルの回避にもつながります。この機会にぜひ、Shopifyで代引きを導入して国内の販売成績アップにつなげましょう。
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