Shopifyは越境ECにチャレンジしやすいプラットフォームです。デフォルトで海外発送に対応しており、世界中を相手にビジネスができます。しかし、海外発送は国内発送と異なる点がいくつかあります。国によってリードタイムが異なったり、荷物の扱いが手荒だったりします。ほかにも、配送料や関税の計算も必要です。今回の記事では、Shopifyで海外発送するときの注意点や手順、設定方法、おすすめのアプリなどを解説します。
目次
海外発送で注意するポイント
海外発送は、国内発送と異なるポイントがいくつもあります。海外発送の特徴や、注意するポイントについて解説します。
リードタイムが国によって異なる
海外発送では、リードタイムが国ごとによって異なります。リードタイムとは商品の発注から納品に至るまでの所要時間。距離が遠い国ほどリードタイムは長くなります。国によってリードタイムが異なるので、事前にリードタイムを調べましょう。
リードタイムは配送方法によって大きく変わります。また、配送状況や国の情勢によっても左右されます。適切に対処するためには、対象国の状況をリアルタイムで把握しましょう。
荷物の扱いが手荒い
国内発送は、海外発送と比べるとかなり丁寧です。海外発送は荷物の扱いが手荒いため、梱包技術が必要となります。国内発送では、割れ物は割れ物表記すれば、破損することなくユーザーに届きます。しかし、海外発送では異なります。国内発送と同じような梱包では商品が破損する恐れがありますので、手厚く梱包することが必要です。
関税の手続きが複雑
海外発送は国境を越えるため、関税手続きが発生します。発送先の国や発送する商品によって、必要な書類や費用が異なります。手続きに必要な許可書や申請書は、すぐに用意することが難しいものばかり。事前に情報収集し、スムーズに関税手続きができるように準備しましょう。関税はユーザー負担が発生する場合もあります。クレームや不信感につながらないよう、前もって調べておきましょう。
Shopifyで海外発送する5つのステップ
Shopifyで海外発送するためには5つのステップが必要です。それぞれのステップについて、具体的な手順と流れを解説します。
配送エリアを設定
Shopifyではデフォルトで配送エリアに海外が設定されていますが、海外発送するなら念のため設定を確認しましょう。配送エリアの設定と確認は、以下の操作を行ってください。
管理画面から「設定」をクリックします。
次に「配達と発送」をクリックしてください。
「送料を管理する」から海外発送が設定されているかどうか確認しましょう。
海外発送が設定されていない場合は、「配送エリアを作成する」で配送エリアを作成し、名前と追加する国を選択して保存してください。
送料と関税を設定
送料の設定方法は2つあります。
- 独自に料金を設定する
- 配送業者やアプリを使って料金を計算する
Easy Rates Japan Postというアプリを使うと、海外発送の送料が自動で簡単に計算できます。Easy Rates Japan Postについては後述します。海外発送する場合は、関税と輸入税にも注意が必要です。可能であれば、チェックアウト画面で関税や輸入税についても請求しましょう。
商品を梱包
海外発送では輸送中に商品が雑に扱われます。商品を万全の状態で届けるためにも、梱包は丁寧に行いましょう。「壊れ物」「天地無用」「FRAGILE」のステッカーを貼っても意味はありません。そのため、梱包では以下のことに気を付けましょう。
- H字状にガムテープでとめる
- ヘリや箱の中心もしっかりガムテープでとめる
- 中身の商品はビニール袋に入れる
- 発送用ラベルはガムテープの上には貼らない
- 緩衝材を利用して隙間を埋める
- 重い商品はダブルカートン(厚手)のダンボールを用意
重量を計測
国内発送はサイズで送料が決まりますが、海外発送は重量で送料が決まります。梱包した商品の重量を計測し、配送伝票を用意しましょう。送り状の発行には「Ship&co」というアプリがおすすめです。海外発送にも対応した出荷管理システムで、手間のかかる送り状とインボイスを簡単に発行できます。Ship&coについては後述します。
配送業者を手配
送り状が整ったら配送業者を手配しましょう。海外発送ができる配送業者は「日本郵便」「クーリエ便」の2つです。事前に送料やサービスの違いを調査し、どちらの業者にするか検討しておきましょう。
配送業者の選び方
配送業者の特徴と選び方について解説します。
日本郵便
日本郵便が行っている国際郵便は、比較的安価で安定的に商品を発送できます。配送可能な国も120カ国以上で、広範囲にサービスを展開しています。ただし、日本郵便は「重量の制限は30kgまで」「大きさは国ごとに制限が異なる」など制限が厳しいです。国際郵便はいくつか種類があり、種類によってリードタイムが異なるため注意しましょう。
クーリエ便
クーリエ便は国際宅配便で、民間の配送会社が行うサービスです。クーリエ便を行っている企業にはFedEx(フェデックス)、DHL(ディーエイチエル)、UPS(ユーピーエス)などがあります。
クーリエ便はリードタイムが短いことが特徴です。たとえば、アジア圏で1~3日、アメリカやヨーロッパでも3~5日で商品が到着します。リードタイムが短く、細かなサービスも充実していますが、一方で料金が日本郵便に比べて高めです。正確に早く商品を届けたいなら、クーリエ便をおすすめします。
海外発送をサポートするShopifyアプリ3選
海外発送をサポートするアプリについて解説します。
Easy Rates Japan Post
Easy Rates Japan Postは、海外発送の送料を自動計算してくれるアプリです。日本郵便の配送方法と料金が自動で計算され、チェックアウト画面に表示されます。料金は日本郵便のサーバーと同期されており、ユーザーには最新の情報が表示されます。Easy Rates Japan Postは有料アプリですが、7日間の無料体験が可能です。海外発送に対応するなら、必ず導入しておきたいアプリです。
プラン名 | 料金 |
定額プラン | 9.9ドル/月 |
Easy Label Japan Post
Easy Label Japan Postは海外発送で、日本郵便を利用するときに送り状を発行できるアプリです。そのほかにも、配送方法の選択や出荷状況の調整を行えます。また、税関手続きをスムーズに終えるため、内容品の情報の変更や追加もできます。Easy Label Japan Postがあれば、手動でラベルを作成する必要はありません。
プラン名 | 料金 |
LITE | 14.9ドル/月 |
BASIC | 39.9ドル/月 |
PLUS | 69.9ドル/月 |
Ship&co
Ship&coは海外発送に対応した出荷管理システムで、手間がかかる送り状とインボイスをワンクリックで発行できるアプリです。リアルタイムでオンラインショップと同期し、注文が入ったら重量やサイズを入力するだけ。1件あたり数分以上かかっていた送り状とインボイスが、わずか数十秒で発行できます。海外発送では日本郵便のEMSに対応しています。
プラン名 | 料金 |
従量課金制 | 30円/1件 |
月額割引プラン | 1000円/月 |
まとめ
海外発送は国内発送とはいろいろと異なり、注意するポイントがあります。「リードタイムが国によって異なる」「荷物の扱いが手荒い」「関税手続きが複雑」などの点が特徴です。また、国によって送料が大きく異なるため、送料の設定にも注意が必要。しかし、Shopifyのアプリを利用すれば、自動で送料を計算してくれます。
海外発送は手動で行うなら手間ですが、アプリを利用することで大きく効率化できます。「Easy Rates Japan Post」「Easy Label Japan Post」「Ship&co」といった便利なアプリを利用して、効率的に海外発送を行いましょう。
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