2020年からShopifyと楽天市場の連携が始まりました。両者を連携することで、「管理運営の一元管理」「多くのユーザーにリーチできる」「相乗効果が期待できる」といったメリットを得ることができます。今回の記事では、Shopifyと楽天市場を連携するメリットや注意点、連携の手順について徹底的に解説します。販売チャネルで連携して、ECビジネスをさらに大きく育てましょう。
目次
Shopifyと楽天市場を連携するメリットは?
Shopifyと楽天市場が連携するメリットは3つあります。
- 管理運営の一元化
- 多くのユーザーにリーチ
- 相乗効果が期待できる
楽天市場はショッピングモール型、ShopifyはASP型のECサイト構築サービスです。それぞれの特長を活かし、デメリットを補い合うことで大きなメリットが生まれます。両者を連携するメリットについて、わかりやすく解説します。
管理運営の一元化
楽天市場とShopifyを連携させることで、運営管理を一元化して効率的に運営できるようになります。連携していない状態だと、両者のプラットフォームは別々です。両方を運営しようとすると別途有料のシステムを導入したり、エクセルで手動計算したりする必要があります。しかし、Shopifyと楽天市場を連携させると、そういった手間がありません。
連携すれば「Shopifyに登録した商品を楽天市場にコピーして販売」「楽天市場で受注した商品情報をShopify上で管理」といったことが可能です。楽天市場の店舗管理システムにアクセスすることなく、Shopify上で商品管理や登録、在庫管理が行えます。
多くのユーザーにリーチ
楽天市場とShopifyを連携させると、多くのユーザーにリーチできます。楽天市場はショッピングモール型、ShopifyはASP型のECサイト構築サービスです。ショッピングモール型である楽天市場は、集客や宣伝をある程度、プラットフォームが行ってくれます。楽天市場のユーザー数は5000万人を超え、年間流通総額は5兆円を突破しており、知名度は国内トップシェアを誇ります。
一方、ASP型であるShopifyは集客や宣伝を自身で行う必要がありますが、SNSや外部連携アプリが豊富に揃っています。TwitterやInstagram、Facebookとの連携が非常に容易です。それぞれ、別のベクトルに向けて集客や宣伝を行えるので、結果的に多くのユーザーにリーチすることができます。
相乗効果が期待できる
楽天市場はショッピングモール型で、ShopifyはASP型です。それぞれの特長を活かしてマーケティングを行うことで相乗効果が期待できます。多くのECサイトでは集客や宣伝が課題です。しかし、楽天市場の高い知名度と集客力を活かし、安定した集客を見込めます。
一方、ショッピングモール型の問題点はブランディングです。販売ページに独自のデザインやテンプレートを使用できないため、店舗のブランディングができません。しかし、Shopifyなら多くのテンプレートの中から自由にデザインを選べます。このように、ショッピングモール型とASP型で、お互いに足りない部分を補完し合い、相乗効果をもたらすことが可能です。
Shopifyと楽天市場を連携するときの注意点やポイント
Shopifyと楽天市場を連携する際の注意点やポイントについて解説します。
楽天市場の出店審査に合格
Shopifyと楽天市場を連携させるためには、楽天市場の出店審査に合格することが必要です。開店するまでの流れは以下になります。
- 公式Webサイトから申し込んで書類審査を受ける
- RMSアカウントを開設して利用開始
- ショップを作って開店前審査を受ける
楽天市場の出店審査は、一般的なほかのショッピングモールと比べてもハードルが高いです。審査は最初の書類審査と、開店前審査の2回行われます。楽天市場はクオリティにこだわっており、少しでも怪しいと思われた企業ははじかれます。そのため、すでにShopifyや実店舗で売り上げを上げていることが大きなアドバンテージになります。
また、出店審査は個人の出店に厳しいです。法人化しているか、個人が出店する場合でも個人事業者として開業届を出していることが必要条件。合格条件を満たし、出店審査クリアを目指しましょう。
出店費用などが別途必要
Shopifyの「楽天市場販売チャネル」は利用無料ですが、楽天市場への出店費用やシステム利用料は別途必要です。楽天市場でかかる費用は以下のようになっています。
がんばれ!プラン | スタンダードプラン | メガショッププラン | |
月額出店料 | 1万9500円 | 5万円 | 10万円 |
システム利用料 | 月額売上高の3.5%~7% | 月額売上高の2%~4.5% | 月額売上高の2%~4.5% |
登録可能商品数 | 5000商品 | 2万商品 | 無制限 |
なお、初回費用は月額ではなくまとめて支払うことになります。たとえば、がんばれ!プランの場合、月額出店料×12ヶ月分を一括で支払うことになり、初回登録費用(6万円)と合わせて29万4000円です。初回登録はかなりの費用がかかりますので、事前にしっかりと調べて予算を組んでおきましょう。
複数の楽天市場アカウントとの連携はNG
「楽天市場販売チャネル」が連携できる楽天市場アカウントは1つだけです。複数のアカウントとの連携はできませんので注意しましょう。
Shopifyと楽天市場の連携手順
両者の連携手順について解説します。
①楽天市場との連携を選択
Shopifyの管理画面から、「設定」→「販売チャネル」→「販売チャネルの追加」を開きます。
「販売チャネルの追加」を開いたら、「Rakuten Ichiba (JP)」の横の「+」アイコンをクリックしてチャネルを追加してください。
確認画面が表示されるので「販売チャネルを追加する」をクリックしましょう。
「楽天市場への接続」画面が表示されますので、出店申し込みをしていきましょう。
②出店プランの選択
楽天市場の公式Webサイトが表示されますので、「出店申し込み」をクリックして手続きを進めていきます。出店申し込みをする前に、出店プランについて決めておきましょう。出店プランは「がんばれ!プラン」「スタンダードプラン」「メガショッププラン」の3種類があります。自社の実績や商品点数などから検討してください。
③新規出店の申し込み
新規出店を申し込む際は、「出店申し込み情報の入力」フォームで必要事項を入力していきましょう。通常、申し込み内容の確認には2週間~1ヶ月ほどかかります。その間は連携作業もできません。楽天市場からの返答を待ちましょう。
④出店審査とアカウント連携
出店審査が終わると審査結果が通知されます。無事に出店か完了すると新規店舗情報が開示されますので、その情報をもとに連携を進めましょう。Shopifyとの連携で必要な情報は「開設した楽天市場のショップページURL」「SMTPのIDとパスワード」「RMSのAPIライセンスキー」の3つです。「販売チャネル」→「Rakuten Ichiba (JP)」から「出店情報を入力する」をクリックして作業を進めてください。
⑤Shopifyの商品を楽天市場で利用できるようにする
Shopifyから楽天市場に商品を登録するには、以下の手順を行ってください。
- Shopifyの管理画面上で登録したい商品を選択
- 販売チャネル右側の「管理」をクリック
- 「販売チャネルの表示/非表示を管理する」というポップアップの「Rakuten Ichiba」にチェック
⑥オープン前審査とショップの稼働
楽天市場では出店審査のほかに、オープン前審査が行われます。この審査に通過すると、実際に商品を販売できます。準備を整えたら楽天市場に通知し、オープン前審査を受けましょう。オープン前審査は通常、結果が出るまでに2週間~1ヶ月ほどかかります。
まとめ
Shopifyと楽天市場の連携は2020年にスタートしました。Shopify側の販売チャネルに楽天市場を連携することで、商品や在庫の一元管理が可能となります。両者を連携するメリットは「管理運営の一元管理」「多くのユーザーにリーチできる」「相乗効果が期待できる」の3つです。
楽天市場に出店するには審査があり、それをクリアするには1ヶ月~2ヶ月ほどかかります。くわえて、出店するには多くの費用が必要です。両者の連携を進めるなら、期間や予算を含め計画的に行いましょう。